認知症高齢者を対象とした農福連携事業
高齢農業者から広がる地域の福祉課題は農業分野に留まらず
医療・介護の領域へと連鎖し複合的な課題となってきました。
これらの課題に対し、農業の活用とその展開により「農の医療的・福祉的活用」と
農力を最大限に活用し地域を再生しながら福祉転用することで可能となる新たな
農福連携の取り組みをご紹介します
宮崎県ではこのような地域の複合的福祉課題に対し「農業の医療的・福祉的活用」を目指し
異業種が事業領域を超えて連携する取り組みを実践されています。
当事者を支えるシステムがあれば役割を創造し生きがいを得て、社会参画をすることにより
心豊かな暮らしを実現できる。
この理念の下、地域資源を最大限に活用し、取り組みの価値をカタチにするため
以下の4つの事業を実施しています。
1.農作業によるリハビリテーション・プログラム(農福リハビリ)
福祉課題解決のために開発された軽度の農作業による認知機能改善プログラム
農福リハビリは臨床・研究実績50年以上のキャリアを持つ医師と共に研究。
2.農福連携農園(協働農園)
病院や介護事業所に「農福連携農園」を開設し活用。農作業による認知機能改善
プログラムや農福関連イベントの空間として、年齢や所属に関係なく
地域の創造的な交流が生まれる場所として運営。
3.農福連携製品の販売
「農福連携農園」のリハビリ・プログラム活動により様々な作物を生産
生産物は無農薬・無肥料にて栽培され、青果や加工品として
「農福連携ブランド」の価値を提示しながら開発・販売。
4.農福連携イベントの開催
”農福連携カンファレンス”や、認知症学習のための催しなど協議会と地域との接点づくり
また、地域の高齢者と共に実施する”農福ワークショップ”では
農業体験と「食」を通じ、農福連携に参加する機会を創出
『日本版ケア・ファーム』と『ケア・ファーム プログラム』
オランダのケア・ファームから着想を得た農業者を起点とした取り組みです。
農家の古民家を修繕、耕作放棄地・休耕田を再耕し福祉転用することで、安全な農作業による
リハビリ環境を構築し、休眠したリソースに新たな機能と価値を付与します。
「農福連携」とは、農業の多面的活用による『幸福』の創造
農作業には不思議なチカラがあります。
農作業をすると、笑顔になり、穏やかな雰囲気がその場を包み込む。
このチカラを医療的・福祉的に活用し、共生社会のための仕組みとして活かすこと。
地域高齢者にとって農業とは、日々の喜びであり『生きがい』そのものである。
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