農福商連携による竹の資源化モデルの構築・実践
厄介者扱いされる放置竹林を資源として捉え利活用する取組を地域住民らが担う仕組を実践しようと
大崎町に地域おこし研究員が着任されました 。
利害関係者とその役割
地域住民:山林所有者と調整、活動フィールドの無償提供、障害者支援施設との合同作業
障害者支援施設①:竹林整備、開放型炭化器による竹炭製造及び回収
障害者支援施設②:圃場へ竹炭散布、サツマイモ栽培、干し芋の販売
食品加工事業者:障害者支援施設②が栽培したサツマイモを加工し、干し芋を製造
町社会福祉協議会:障害者支援施設や地域住民の活動支援
大学:実証試験全般の実施、関係者への施策提言
役場:町広報誌やラジオによる広報、開放型炭化器の無償貸出、実証試験全般への支援
障害者支援施設① | 竹炭(土壌改良剤)→ 対価← | 障害者支援施設② (圃場竹炭散布、サツマイモ栽培、干し芋販売) | 原料加工の対価→ 干し芋← | 食品加工事業者 |
↑活動フィールドの無償提供、障害者支援施設との合同作業 | 干し芋→ 対価← | 町民 | ||
地元団体(公民館) (山林所有者と調整、竹林整備、竹炭製造) | 山林の無償貸与に係る合意形成⇔ | 山林所有者 (山林の無償貸与への承諾) | ||
↑町広報、開放型炭化器の無償貸出、実証試験全般への支援活動 | ||||
町役場 |
放置竹林を地域の資源として活かす
竹の資源化モデルが導入された結果、障害者や高齢者が放置竹林の整備や竹材加工の担い手となり、竹林整備が促進されています。計27日54時間、延べ347名が竹林整備を行い、伐採した竹の炭化処理をしたことで、3,027平方メートルの放置竹林が管理竹林となり、特用林産物である筍が収穫できる状態になったとのことです。なお、製造した竹炭は社会福祉法人②に販売されたほか、竹林整備に参加した地域住民により活用されました。
加えて、自治公民館で2m程度に成長した幼竹を塩蔵メンマにする取組が始まり、また社会福祉法人②では、4aの畑に竹炭散布したところ、翌年度には竹炭散布面積を5倍の20aに広げるなど、取組規模を拡大しており、地域全体が厄介者扱いしていた放置竹林を資源として活かしていることが伝わります。
新たに、竹林整備で発生する竹材を粉砕し、畜舎の敷料として活用する実証試験が行われています。
同実証試験に参加する畜産によりますと、従来使われているおが粉の値段が高騰しており、価格は安かった時期の倍に上昇しているとのことです。今後は、チップ化した竹敷料の有効性や他の畜産農家のニーズ把握を行うとのことです。
支援者と利用者の枠を超えて地域の課題解決に取り組みながら、多様に展開することができる。
目指すのは多種多様連携。