果たして「農作業は本当に効果があるのか?」実際に効果検証する企業や団体が出てきました。
その中でもストレスに着目した実証テストの取材記事を紹介します
⼤学院、NPO法人、協議会と連携し「農作業によるストレス軽減テスト」を実施
体操・座学後、そして畑での作業を終えた後の計3回、唾液の採取に臨みました。対象者は知的障がいを抱えています。
採った唾液のいくつかの成分を計測することで、ストレスを数値化できます。
全体的なとまめ
全体として、短期的な不快感やその場その場の感覚がそのまま情緒や緊張などに反映されやすい傾向が明確である。ただし、活動により不快感が取り除かれ、情緒が安定していることがわかる。特に農作業後はその傾向が顕著である。農作業だけでなく、座学でも不快感が低下し、情緒が安定する傾向がみられた。
開始前、やや「やる気が出にくい状態」にあった。活動中に値はやや向上した。活力が向上し、活動的な状況に誘導している可能性がある。全体として活動による活力の向上が見られる。
活動、特に農作業によるリラックス状態の増進があったことが示唆される。
気持ちからの不快を感じやすいが、活動が情緒を安定させ、不快感を払拭させている可能性が示唆される。
平常時は不快を感じやすく普段はやる気が出にくい
抱える状況や気質などで変化に(障がい別の)傾向が見られました。
気持ちが不快感として反映される傾向が極めて高いことがわかりました。
特にそれぞれの得手不得手を把握し、個性に寄り添える可能性が示唆されています。
一方で、心身の状況は基本的にやる気が出にくい状態が見られます。
自発を促すのに農作業の可能性は大きい
活動が短期的には不快感を払拭しやや低活力な受講生に活力を得る機会を与えています。
検証を進めると、対象者の傾向を分析した対応など指導者へのマニュアルづくりなどに活かせます。
それぞれの自発を促すには、不快を感じにくく、かつ参加できるプログラムが重要です。農作業はこの両面を満たす可能性があります。
それぞれの個性が明らかに
ここからは各人にデータ結果を見ていきましょう。多様性が明らかになりました。それぞれの個性に応じた対応が求められます。逆に言えば、ストレスの調査が、作業適正やその関わり方を知るカギとなるでしょう。
活動でストレスが減る方
この方は急性ストレスや緊張を非常に感じやすいと思われます。ただし、活動すると情緒の落ち着きが見られ、また免疫の調整が促進されています。身体的に適度な活性があります。つまり、活動がストレス軽減に働いていると示唆されます。
体操が苦手な方
この方は体操後にストレスが高まり、農作業後に高水準ながら落ち着きが見られます。農作業でリラックス状態になったことがわかります。急性ストレスを感じやすく、普段の活動ではやる気が出にくい状態にあります。ただし、特に農作業によって活力の向上が見られ、活動が情緒の安定と心身の活力向上に役立っていると示唆されます。
仕事が長続きする方
この方は情緒の起伏が少なく、やる気が出にくい状態が見られます。ただし、活動によってわずかに活力が高まっていることがわかります。つまり、仕事を落ち着いて続けることができ、体を動かす方が活力を高めると思われます。
時間制限ありで成果を出す方
この方は開始前はやや活力が低かったですが、活動により興奮し、特に農作業では一種「テンションが高い」状態になった可能性があります。この興奮状態が続くと身体的な緊張へつながるため、適度な作業に変更したり、時間を制限したりして工夫した方がより良い成果を出す可能性があります。
以上
「障害のある方にも農作業が心身ともに良い」という一方的な想いだけではなく
客観的に数値化、データ化していただいた
このように効果検証を行い、また記事として公開していただいた事に感謝申し上げます。
農作業による心身の活性化、また認知・身体的成長を期待することできる。
そして、何よりも精神的改善に繋がり、共に働く喜びへと前向きな気持ちになってもらうことが可能である。
自信をもってご案内したい。